「駐在妻vs赴任夫」絶えないケンカの要因と乗り越える方法

フロリダ生活

海外駐在中は、なかなか日本にいる親やきょうだいを頼ることはできません。夫と最強のパートナーとなって何でも自分たちで解決する必要があります。

そんな支え合うはずの最愛の夫が、突如憎い存在になってしまうことがあります。

我が家も渡米後1年間ほどは衝突することも多く、「こんなはずじゃなかった!」という場面が多々発生。本気で離婚の「り」の字が見えたこともあります。

そんな状況でも他に行くところなんてないし、向き合うしかありません。どうすればいいのでしょうか?

本日は、そんな海外駐在時に増える夫婦喧嘩の要因と解決法についてお話ししたいと思います。しっかり乗り越えて夫婦の絆を深めていきましょう。

こんな人にお勧め

駐在生活で夫との関係が悪化してしまい修復したい

駐妻生活を楽しく暮らしたい

これから駐在帯同する予定で夫婦仲が不安

喧嘩になりやすいシチュエーション

まずは喧嘩になりやすいシチュエーションを洗い出します。こんな時はイエローサイン。言い合いに発展する前になんとか防ぎたいものです…。

シチュエーションその1:妻が自分の存在意義を見出せない

仕事を辞めて専業主婦として帯同する場合、妻側の生活は一変します。家事や子育てだって立派な仕事で一生懸命やれば毎日ヘトヘトなのに、専業主婦って上司や同僚、お客様といった人との関わりがないので、誰も自分の頑張りを評価してくれません。つまり自分のやっていることに価値があるのか見出しにくいのです。

夫がその分たくさん声をかけてくれるなら救われますが、だいたいの場合、夫側は「海外につれてきてやった」という俺様な感情が底に潜んでいるもので、なかなか素直に感謝や労いの言葉をかけてはくれないでしょう。夫も新しい生活に必死だったりするので、そもそも妻を気遣えるほど余裕がなかったりもします。

そこで妻側は自分の存在意義が分からなくなり、しまいには「仕事を辞めてついてきてあげたのに」「家政婦になるために来たんじゃない!」という負の感情に支配されていきます。

覚悟してついてきたものの、思っていたよりギャップが大きく落ち込んでは当たる、を繰り返します。妻の苦悩を分かって欲しいだけなんですけどね。私も何度もこのトピックで言い合いになりました…。

シチュエーションその2:体調不良時

駐在妻にとって、体調管理はとても重要です。頼れる家族が夫以外にいない場合、もし自分が動けなくなれば生活が立ちいかなくなる。特に小さい子供がいる場合は、子供の体調と同じくらい、自分や夫の体調管理に気を遣います。

一方、夫側は危機管理が薄いところがあります。我が家で実際にあったケースですが、出張から戻った夫の体調不良が長引いており、ずっと咳が出ていました。当時10か月の息子や私に移さないようにして欲しいのに、何度訴えても面倒くさがって病院に行かず、マスクもつけずに部屋をウロウロ。

そのうち、私にも風邪症状が出てきて怒りはピークに達します。

「お願いだから移さないで!私が寝込んでも頼れる人がいない!」と言えば、本人もバツが悪かったのか、「そんなに不安なら日本に帰ればいい!」との返事。これにはプッツーンです。

体さえ元気であればなんとか毎日をこなせるものです。しかし、日本から遠く離れた海外では、酷い風邪が長引いている、熱がある、ケガをしてしまって動けない、という状況になるとお互いピリピリして険悪になりやすいです。

シチュエーションその3:夫が出張続きで妻が孤独感

海外赴任者は出張も多く、家を不在にすることが頻繁にあります。残された妻は、日中は家事や子育て、友人と過ごすなどして忙しくしますが、夜は孤独感に包まれるもの。ふとした時に夫がいない不安感は、海外だとなおさら強く感じるものです。

しかし肝心の夫は、出張中はお付き合いも忙しく、夜になってもろくに連絡もありません。ますます孤独になっていく妻を気遣えない場合、どんどんと心の溝が深まってしまい、いきなり妻の不満が爆発!ということにもなりかねません。

出張中こそ頻繁に連絡して、海外の自宅に一人きりの妻を心配してほしいものです。

海外生活で険悪になった夫婦仲。乗り切るための解決法

家計管理を任せてもらう

仕事を辞めて帯同とともに専業主婦になった場合、妻にとって「お金を稼ぐことができない」ジレンマはとても大きいです。お金に関する全てのイニシアチブを夫に握られた感じがして、肩身の狭い思いをすることになります。

その解決策として、「家計管理を任せてもらう」という方法があります。

私は渡米後すぐ、お金の流れを把握して無駄を省き貯金したいと思っていたのですが、お金の話は最初はとても言いづらいです。稼いでないくせにお金のことに口出ししていいのかな、と遠慮がちになります。しかし、実際には海外生活でワンマンの収入に頼ることになるからこそ、家計管理はとても大切な仕事です。

勇気を出してお金についての話し合いをし、家計管理という大切な役割を得ることで自分もしっかりお金に関わることができるので、「お金を稼ぐことができない」と感じるストレスが軽減します。「新しい役目を担う自分」にポジションチェンジすることで「仕事を辞めてついてきた自分」に納得することができ、夫への感謝の気持ちも生まれます。

優先順位をつけ直す

海外赴任に帯同すると決めたらしてほしいことがあります。それは、自分の人生における重要事項の優先順位をつけ直す、ということです。

駐在妻になるという決断は、大なり小なり後から悔やむことが出てきます。何を選択しても100%納得するのは難しいのです。であれば、優先順位をつけて選んでいくしかありません。

当時33歳の私の中には、「子供を持つこと」「自分のキャリア」「夫のキャリア」の重要事項がありました。

私の出した答えは、1に子供を持つ、2に夫のキャリア、3に自分のキャリアという順です。自分のキャリアより夫のキャリアを優先することにしたのです。そうすることで、自分の仕事への未練を断ち切ることができました。

人によって、「親のサポート」「日本の生活」「日本でしかできないこと(例えばバンド仲間のメンバーとして活動している)」など、色々と人生の重要事項があると思います。

その中で「夫のキャリア」や「夫を支える」という項目が優先順位の上位にくれば、多少納得いかないことがあっても今は私はその道を選んでいる、と前向きになることができます。

順位を決めるのが難しい場合は、「帰国までは」「〇〇歳までは」「子供が〇歳になるまでは」「親が入院するまでは」など期限や条件を設けるとやり易くなるかもしれません。

駐妻の息抜きできる居場所を見つける

家庭以外に自分の居場所を作ると夫に依存することが減り、精神的にかなり楽になります。

図書館で無料でやっている語学クラスに参加する、近所のボランティアコミュニティに参加する、子供がいる場合はmommy&meクラスでママ友を作る、など定期的に顔を出せる場所があるといいです。

気の合う友達ができれば、夫への愚痴を笑いながら飛ばすことができ、衝突が避けられます。ストレス発散して妻が楽しく過ごしていれば、夫も喜んでくれるでしょう。

スキルアップの時間を取る

人は何かを学んで成長しているときはとてもポジティブなマインドになります。それゆえ、些細なことは気にならなくなり、自然と夫との関係も穏やかになります。何かスキルアップを図るというのは大きな解決法になります。

私の場合は料理でした。日本にいた頃は結婚後もとにかく仕事が忙しく、夜9時に帰宅してパパっと簡単なものを作るだけでしたが、アメリカに来てからは時間がある。

お勧めは、自分の成長が目に見えるように記録することです。私は料理日記のアプリを使いました。日々の料理を写真に撮って保存するだけですが、これがけっこうモチベーションになり、次は何に挑戦しようかと前向きになります。日本ではやったことのない揚げ物や手作りドレッシングなど、日本食材が手に入りにくい環境でしたが献立を工夫してかなりレパートリーが増えました。

自信がついてくると、夫の同僚や外国人の友達ファミリーを招待し、和食をふるまうようになります。食を通して異文化交流できとても楽しかったです。

英語やヨガ、ビジネス書など何でもいいので、せっかくの海外生活にハリのでるようなものに是非取り組んでみてください!

まとめ

海外駐在をすることで、夫婦仲は最悪にも最高にもなり得ると聞きます。どちらになりたいか考えるまでもなく、もちろん「最高」になりたいですよね!

環境が変わることで起きる衝突は避けられないですが、我が家の場合、海外生活も1年ほど経てばすっかり落ち着き、衝突する機会はほとんどなくなりました。何でも助け合い、話し合える最高の関係になり、絆が深まりましたよ。今回の記事が少しでもお役に立てると嬉しいです。

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