海外生活中にトラブルや困難を一緒に乗り越えることで、夫婦間の絆が深まったという話をよく聞きます。海外文化のおかげで夫の帰宅が早く自然と子育てに参加できることも、夫婦関係が良くなる理由の一つですね。そんな夫婦関係ですが、本帰国後はどうなるのでしょうか?
我が家の場合、アメリカ生活1年目こそ衝突が多かったですが、最終的にはお互いの信頼感も増し夫婦関係が良くなったという自覚がありました。
それが日本へ本帰国して夫の仕事の拘束時間が増えると、少しずつ家庭への関わりが減り、私が起業した頃にはすれ違いも多く大ゲンカの日々。いや~、家庭の雰囲気は険悪そのものです。
そうこうするうちに帰国して2年経ち、やっと夫婦関係が落ち着いてきました。やはり環境が大きく変わると、人間慣れて落ち着くまで少し時間がかかるものなのでしょうか。同じように、本帰国後に夫婦関係が悪化してしまったというエピソードは周りでもよく起こっています。
何故せっかく築き上げた信頼関係が本帰国によって崩れてしまうのか。本日はその原因と心構えについてお伝えします。
駐在から本帰国後に夫婦関係が悪化して悩んでいる
本帰国後また働こうと思っているが環境が変わることが不安
本帰国後のワンオペ生活が不安
本帰国後に夫婦関係悪化!その原因は…?
日本へ本帰国後、どのような環境の変化があるのでしょうか?大きく4つあります。
原因その1:ワンオペになる
まず大きな変化として、妻の育児への負担がかなり大きくなります。
海外赴任中は平日夕食までには帰宅して子供のお風呂や寝かしつけを担当してくれていた夫も、日本へ帰国後は無駄に長い会議や同僚とのお付き合いで平日ほとんど家にいない状態になります。
日本の同調圧力って凄いんですね。あんなに残業はしない!と張り切っていた我が家の夫も、あれよあれよという間に帰宅時間が遅くなり、私も夫の顔を見ないまま先に就寝するのが普通になりました。(今現在はコロナのこともあり週に2~3日はリモートワークです。在宅の日は海外にいた頃と同じように家族時間を作れています。)
やはり多くの元駐妻の方が、「夫が会社に拘束される時間が長くなり、育児の負担が増える」という辛い経験をします。
その分、実家の協力を得られたり、古くから知っている友達と助け合えたりできる環境だといいんですけどね。実家も遠い、友達もいないとなるととても大変です。ワンオペしながらまた一から人間関係をスタートするのですから、妻への負担は大きくなり、それに寄り添ってくれない夫の場合は夫婦関係の悪化につながります。
原因その2:赴任手当がなくなり給料が減る
大変残念な現実ですが、海外赴任中と比べ給料が減ります。大きなお家、車、子供のスクール費用などの補助がなくなり、夢が覚めます。
中には、妻が駐在帯同をきっかけに仕事を辞めたり現地で家族が増えたりで、赴任前:夫婦2人の稼ぎで家族2人分だったのが、帰国後:夫1人の稼ぎで家族3人分を養わなければいけないなんていう家庭もあるのでは(我が家です!涙)。
お財布の紐が固くなると家庭内がピリピリするのも仕方ないです。海外生活での手当が無くなっただけで夫は何も悪くないのですが、なんとなく男のプライドも傷つきますよね。
原因その3:妻がもう一度働き始める
本帰国後、妻側の心境も変わりもう一度働きたいと思うケースも要注意です。
働くからには真面目にやりたい妻側。自己分析、仕事探し、新しい人間関係、久々のプレッシャーなどストレスのかかる事が増えるでしょう。
そんな時、夫の理解がないと辛いですね。頑張っているのに、「洗濯物が溜まってるな」「今日のおかずこれだけ?」なんて悪気もなく言われたら、もう戦争ものです。
また、新しい仕事が軌道にのり妻が少し活躍しだすと、嫉妬する夫もいるかもしれません。急に社会の一員としてイキイキしている妻を見ると、なんとなく受け入れがたいのが男というものです…。
原因その4:昔の人間関係に戻り夫が飲みに行くようになる
これは仕方ないとは言え、喧嘩の原因になり得ます。
海外では(特に欧米)では、会社の飲み会ってほとんどないですよね。日本に戻ってくると、まー頻繁にあります。やれ〇〇さんの歓迎会、やれ目標達成で打ち上げ、やれ上司に誘われ軽く一杯。
会社だけでなく、昔からの友人との付き合いも復活します。たまに遊びに行くのは大賛成ですが、毎週末ゴルフに行かれてはたまりません。海外ではあんなに家族ファーストだったのに、また元に戻ってしまった!とイライラする元駐妻も多いのでは。
それでも諦めなければ必ずまた良くなるのが夫婦
新しい環境にノンストップ子育て。そこへ加え夫とのことまで手が回らない!という声が聞こえてきそうですが、ここで諦めては試合終了です。海外で一から生活を立ち上げた経験のある元駐妻ならできます!一つずつ出来ることから実践していきましょう。
頼れるものは何でも使う
まずは、使えるものは何でも使うという精神。海外と違い、勝手知ったる日本です。児童館や公園へ通ってママ友を作る、一時預かりを利用する、親にヘルプに来てもらうなどして、少しでも負担を減らしたり孤独感を軽減するアクションを取りましょう。
私も経験して分かりましたが、ワンオペって本当に孤独で疲れます。大人の誰とも会話せずに一日が終了なんて日が続くと頭がおかしくなりそうです。
夫がいないなら仕方ないと割り切って、他に話し相手や協力し合える人を見つけてください。
溜め込まずに都度夫と共有
顔を合わす時間が少なくなっても、夫とのコミュニケーションをなるべく取るようにしましょう。「今〇〇へ来ています。」「冷蔵庫にご飯あるからチンしてね。」
私も、食事中や就寝前の息子の写真を当てつけ(!)のように送り続けました。日本のオフィスでは携帯を自由に見れないようで「未読スルー」も多いですが、シェアしないよりマシだと思い気にせず送るように。(ま、正直面倒くさいと感じることも多いですが、ここは頑張りましょう…。)
そうすることで、夫との距離が遠くなりすぎるのを防げます。週末顔を合わせた時に自然と会話を始めるきっかけになります。
お金会議で解決
海外手当がなくなり収入減が理由で家庭がぎくしゃくしている場合、もうここは腹割って話すしかありません。お金会議です。収入や家族構成が変われば必ず必要なことなので、事前準備をしっかりして妻側からリードしてあげてください。
別記事で“夫婦円満の秘訣!「お金会議」を明るく有意義なものにする方法”を紹介しているので、是非参考にしてください。
感謝の気持ちを伝える
夫婦関係を良くしたい場合、とても簡単な魔法の言葉があります。それは、「あなたのおかげで家族が幸せにいい生活ができている。ありがとう!」です。妻としては少し悔しい気持ち(?)があるのは分かりますが、一度騙されたと思って伝えてみてください。夫は驚くほど喜び、幸せな空気感が漂い始めます。
仕事復帰してイキイキしている妻へ嫉妬している夫にも効きます。「私も稼いでいるけど、でもあなたには敵わないと思っている」と思わせることができれば成功です!
夫婦で出かける
日本に帰ってきた一番のメリットかもしれません。実家に子供を預けて2人で食事に出かけましょう!最初は照れくさいかもしれませんが、昔の気持ちを思い出すのはとても大切です。
実家に預けるのが難しい場合は、友人に頼んでみる、一時預かりを利用してみるのはいかがですか?海外と違い、勝手の分かる日本であれば少しハードルは下がるのではないでしょうか?
夫婦で出かけるといい事たくさんです。夫婦関係構築が上手な外国人ママに学んだことを記事にしています。「外国人ママに学ぶ 夫婦時間の過ごし方」こちらもご参考ください!
夫婦関係がいいと子供が喜ぶ
本帰国によって大きく変わる環境。せっかく築き上げた夫婦関係が悪化してしまったという話は本当に良く聞きます。
それでも、原因と対策を知っているだけで少しでも改善していきます。夫婦関係がいいと、何より子供が喜びます。それがまた幸せな雰囲気を生み出し、家族がどんどんハッピーになっていく。
我が家も2年経って、ようやく落ち着いてきました。今回ご紹介した内容が少しでもお役に立ちますように!
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