帰国後、逆カルチャーショックが大きかったもの小さかったもの(前編)

生活の知恵

海外での生活が長くなると、日本へ帰国後思わぬカルチャーショックを受けることがあります。このような自分の母国で感じる違和感を「逆カルチャーショック」や「Reverse Culture Shock」と言います。

帰国前になんとなく想像できる軽度のものから、驚きでショックを隠せないほど重度のものまで。子供を取り巻く環境、仕事の拘束時間、公共交通機関の利用についてなど、感じ方は個人差はあると思いますが、少しでも事前に知っておくことで心の準備ができると思います。それでは早速いってみましょう!

逆カルチャーショック:子供を取り巻く環境

ショック度:★★★★★

子供よりも仕事を優先せざるを得ない。融通効かない日本社会。

帰国後、学生時代の友人から聞いた話。その友人はどうしても早朝会議に参加するために早く家を出なければならず、小学2年生の子供を登校時間になるまで自宅の玄関前に残して家を出たそうです。15分ぐらい待てば登校グループのお友達と合流するから大丈夫だろうと。(小2の息子に家の戸締りを任せるのが不安だったので、一緒に家を出て鍵をかけて、ドアの前で座って待つように指示したとのこと)。

え?子供を一人家の前に残したの!?

会議に遅れる訳にはいかないので、それしか選択肢が無かったとのこと。アメリカでは子供は何よりも優先されるのが常識なので、とても驚きました。日本の会社では何故そんな家庭の事情を考慮してくれないのか。旦那さんも家庭の事情なんかで遅刻するなという社風みたいで協力してもらえなかったそうです。

一緒に話を聞いていた別の友人は、ウンウンと頷いている。これが特別だったわけではなく、仕事の都合で子供を一人にすることって結構あるみたいですね。会議の時間をずらす、他の人に出てもらう、家でオンラインで参加するとか色々な方法があるのに。。

アメリカでは子供を一人で家に残すという選択肢がないですし、なんなら「今日は子供の事情で朝来れませんでしたー!」と、オフィスに着いてからの事後報告で、「それなら仕方ないわねー」と言われて終わり、ですよね笑。(もちろん、連絡ぐらいは事前にした方がいい・・汗)

日本の場合は、親の方も仕事なら仕方ないっていう思考回路が出来上がっている気がします。会社に相談すらしていないような印象を受けました。安全な日本だからあり得るのかもしれませんが、ショック度MAXの逆カルチャーショックです。

ショック度:★★★★★

子供が親無しで外出は当たり前。街中を子供だけで自転車でウロウロしているのに何度も遭遇する

上記のような子供より仕事を優先せざるを得ない状況でなくても、日本にいると子供が一人、または子供たちだけで街中をウロウロしている姿を本当によく見かけます。ある時は、小学校低学年ぐらいの女の子が雨が降るなか右手にお稽古用の手提げかばん&左手に傘を持ってトコトコと。またある時は、小学生グループの男子が交通量の多い街中を自転車で猛スピードで漕いでいる。。あ、あぶない。。

アメリカを始めとする諸学国ではそもそも12歳以下の子供は家でも外でも一人にしてはいけないという法律があります。(国や州によって年齢は多少差があると思います)。公園は必ず親が付き添いますし、どうしても子供なしで済ませたい用がある時はベビーシッターを雇って子供とお留守番をしてもらいます。

大人が子供を守る、どこに犯罪が潜んでいるか分からない危機感、そういうのが染みついているので、親無しで子供だけで外出をしているのを見るととてもビックリします。

かくいう私自身も、小学生の頃から一人で電車通学してたんですけどね。でも30年前と今では日本社会も変わっていますから。いつまでも安全な日本ではないと思いますが、今後このあたりの考え方はどうなるのか注目しています。

小学生にも携帯を持たせたり、GPS機能でどこにいるか把握できるシステムが充実しているので安心、という声もありました。

逆カルチャーショック:仕事との向き合い方とその影響

ショック度:★★★☆☆

夫の帰宅が深夜になり、ワンオペが当たり前になる

アメリカにいた頃は、遅くても夜の7時までには帰宅し家族と一緒に晩御飯を食べていた夫ですが、日本へ帰国後は23時、0時を過ぎる帰宅も当たり前に・・。3年間もアメリカリズムで生活をしていたので、毎晩息子と二人っきりで全てのルーティンをこなすようになり戸惑います。お風呂も以前は夫が担当していましたが、平日は関わることは一切なしになりました。

育児を一人きりでやるのはとても悲しく寂しいことですが、実はなんとなく想像していたので、「あ~やっぱりなぁ・・」という感じ。アメリカでも夫の出張時にはワンオペをしていたので、少なからず経験があったのがショック度を軽くしてくれたのかもしれません。

ショック度:★★☆☆☆

日本は会議が多すぎる、長すぎる

何故こんなにも毎日帰宅が遅くなるのか。実は、今回のコロナウィルスの影響で在宅勤務を続けている夫を見て謎が解けました。

とにかく、会議が多すぎる!!!!

緊急事態宣言が出て初めて在宅勤務をすることになった夫。「やったー!家にパパいるね」と喜んだのもつかの間。。夫が全く個室から出てきません。なにやらずっと会議しているのです。9時から始まって(8時から始まる日もあります)、11時に終わったと思ったらすぐにチャットが切り替わってまた別の会議。お昼は15分だけ、また会議が始まり、夕方個別のチャットが入り、夜まで延々と。。トイレも会議中にこっそり抜け出して済ませるほど、会議ばかりなんです。

そしてたまに聞こえてくる声を分析すると、一つの会議で4時間ディスカッションしている!長すぎるー!!!

私は昔外資系の企業に勤めたことがありますが、会議の時間は短く限られ一人ひとりの発表も3分だったら3分。決められた時間がきたら「Time!」といって切り上げられます。長く話しても建設的でない場合が多いと考えられているからです。

会議ばかりで仕事が終わらないので、夫は夜中もずっと仕事してます。。

このコロナで勤務形態がガラッと変わったご家庭も多いと思いますが、私の周りはみんな同じように、夫がずっと会議で全然部屋から出てこないと言います。そして自宅残業。。仕事の拘束時間が長すぎます。勤務形態が変わっただけじゃ駄目だ、会議が減らないと何も変わらない、と側で夫の働きぶりを見ていて思いました。

いかがですか?次回、「帰国後、逆カルチャーショックが大きかったもの小さかったもの(後編)」では”生活環境での違い”についてお話します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました