コロナによる自粛期間中は、自宅でできるお稽古がトレンドになりましたね。エクササイズや料理など、これまではどこか教室へ通って学んでいたものが自宅で勉強できるというのはとても便利で画期的だと気付いた人も多いのではないでしょうか。コロナ収束後もオンラインで学ぶスタイルは定着していくと予測できます。
ここにビジネスチャンスがあると確信し、自粛期間中に仲間とオンライン教材を作りました。誰でも簡単にできると聞いてはいたものの、実際に始めるとアレやコレやと試行錯誤することも多々あり..。今回は、やってみて分かった「オンライン教材を効率よく作るために必要なこと」をまとめましたので、興味ある方の参考になれば嬉しいです。
オンライン教材が出来上がるまでのプロセス
まずは、オンライン教材を作ろうと思ってからリリースされるまでのプロセスをざっと説明します。
コンテンツを決める
まず初めに、何を売るかです。ヨガレッスンや英語学習など、教材となるコンテンツを用意する必要があります。現在世の中にオンライン教材は無数に作られておりジャンルは多岐に渡っています。多いのはプログラミングやweb関連ですが、趣味や教養の分野も今後伸びていくのではと予想しています。
ここでポイントは、教師となる人が過去にそのコンテンツを実際に対面で売ったことがあるか?ということです。
オンライン教材が流行ってきたからといって、何でもいいから教えよう、未経験だけどなんとかなるか、と安易に教材を作ってしまっても残念ながら売れません。オンラインというだけで、教材であることは変わりないので、購入する生徒さんは、そこにきちんと自分の求める学びがあるかどうかを判断しています。わざわざお金を出して実績や経験のない先生から習いたいとは思えないですよね。なので、しっかりとオフライン(対面)で売ったことのある教材を用意するのがベターです。
ちなみに私たちは、仲間の一人が着物の着付師であり着付の先生をしているので、「着物の着付」オンライン教材を作ることにしました。実際に教室を運営しており、これまでに何人もの生徒さんに教えてきた実績ありの正真正銘の先生です。
先生は、教材内容を企画します。その教材で学べる事、カリキュラムやゴールを作り、全体像を考えコンテンツを決めます。
コンテンツを用意する
コンテンツの内容が決まったら作っていきます。動画撮影や、PDFファイル形式でテストを作ったり、パワーポイントで資料を作ったり、やり方は自由自在です。細かい作業が続く工芸教材などは先生が顔出しせずに手元だけ映すパターンもありますが、今のトレンドとしてはどんな人が教えているか顔出しし、動画でしっかりと全体を見せつつ、必要なところは手元のクローズアップ動画、パワポで差し込み資料、カリキュラム毎にテストを実施する、などが好まれています。
私たちの場合は、着物を着る際の準備~補正~実際に着るところ~帯の結び方まで全て先生がカメラの前で丁寧に教える動画に絞ってコンテンツを作っていきました。
動画を編集する
動画が撮れたら次に編集です。言い間違えや無駄なモーメントをカットして、見る側がスムーズに学びに集中できるよう、編集作業はマストです。雰囲気の伝わるバックミュージックを入れる、分かりやすいように字幕テロップを入れる、ターゲットによっては英語字幕を入れる、など細かい作業が続きます。
また、教材をオンライン上のプラットフォームに登録する際、ハイライト動画を入れることができます。全体の教材を1~2分の短いダイジェスト版にまとめたものです。これがある方が購買につながる確率があがるようなので、一緒に合わせて作っていきましょう。
またプラットフォームによって、一つのカリキュラムとしてアップロードできる最大ギガ数や再生時間が決まっています。初めに各サービスの注意事項をよく読んで編集にあたることをお勧めします。
例えばUdemyの場合:1つのコンテンツは4GB以内でないといけない、カリキュラムは5つ以上必要、など細かいルールがあります。
オンライン教材を作るのに必要な環境
撮影機材
動画を撮る場合、撮影機材が必要になります。とは言っても、何か特別なカメラが必要というわけではなく、スマホでの撮影で十分です。最近はiPhoneで4Kの撮影も可能です。その他、三脚やレフ版など撮影を便利にするアイテムはあるといいですね。
動画編集用パソコン
私は今回、出来上がった動画に英語字幕を入れるという役割を担ったのですが、この編集をするためには「動画編集ソフト」が必要になります。それまで、動画編集なんてやったことがなく全くの無知だったのですが、仲間から「Filmora9」というソフトが無料で使いやすいと聞きこちらを使うことにしました。が、特に調べもせず無知のまま進めてしまったために後々苦労することになります..。
というのも、動画編集ソフトを問題なく起動させるためには、ある程度の基準をクリアした高スペックのパソコンが必要だったからです。色々と調べた結果、スムーズに動画編集を行うには、最低限下記の条件が必要のようです。
- CORE i7以上
- メモリ16GB以上
- ストレージはSSDで256GB以上
- グラフィックは内蔵で十分
それに比べ、私の持っていたPCは軽さと薄さが売りで、CORE i5、メモリは4GB、ストレージも100GBちょいしかありませんでした。そうとも知らず、動画編集ソフト「Filmora9」をダウンロードし、動画を読み込んでは編集して保存して、メモリもすぐにいっぱいいっぱいになり、PCにかなりの負荷をかけて作業する日々。。もちろん、動作は遅れるしカクカクするし、一つの字幕を入れるのにも物凄いストレスを抱え、それでもなんとか30分の動画に英語字幕を入れました。
無知だったため、みんな動画編集をするときはこんな感じだと思っていたのです。作業重くて大変だよねと仲間に漏らしたときに、みんなのパソコンではサクサクスムーズに作業できていることが発覚・・。えー!そうなん!と慌てて動画編集に必要なスペックを調べると、先ほど述べた通りです。そら遅いはずやわ。
そんなこんなでちょうどコロナ給付金も入ったところだったので、思い切って新しいPCを買うことに決めました。しかし、オーダーしても届くまでに時間かかるんですよ、、。英語字幕を入れる動画が溜まっていく一方でもどかしいばかりだったので、動画編集すると決めたら早めに高スペックPCの購入を検討された方が良いです。
私はマウスコンピューター「m-Book K700XN-M2SH5」を購入しました!詳しいレビューは下記からご確認ください。
無料動画編集ソフトはロゴが外せない?有料版の購入がマスト
なんとか編集が終わり動画が出来上がったら、あとはソフトからエクスポートという処理をして一つのファイルとして保管できるようにします。(長いファイルだとけっこう処理に時間がかかります。)
それもやっと完了して、全ての作業が終わった!と、動画ファイルをチェックしてみると、、
ン?ナニコレ!?
動画の真ん中にでかでかとFilmoraの透かしロゴが入ってしまっています。うーん、とっても邪魔!!!オンライン教材としてとてもじゃないけど世に出すことはできない仕上がりです涙
色々調べましたが、無料ソフトだとロゴが消せないことが多く、この「Filmora9」も有料ソフトを購入するしか解決策はないと。もう買うしかないですよね。悪あがきせず、ソフトを購入し無事にロゴを消せました。元の編集済みのファイルを使えたので、編集に費やした時間を無駄にせずに済んでよかった・・。
ちなみに、商用で利用する際には個人用ではなく「商用ソフト」を購入する必要があります。恐らく著作権などの問題があるからだと思います。Filmora9の商用3か月のお試しでクーポン利用で¥3000ほどでした。そんなに高くないので、ここもスパッと買ってしまったほうが早いです。
その他
出来上がったファイルを仲間と共有するのには、「ギガファイル便」を使いました。クラウド上で最大60日間の保存もできるとても便利なものです。もちろん無料です!wifiだとアップロードに時間がかかりすぎる場合があるので、その時はLANをさして有線で読み込むと早いみたいです。
オンライン教材を売り出すプラットフォーム代表例
やっとこさ、商材の用意ができたら後はオンライン教材を売り出すプラットフォームに登録するのみです。
今回は、日本大手の教育事業を行うベネッセと提携しているUdemy(ユーデミー)と、主に海外で利用者の多いTeachable(ティーチャブル)を利用することにしました。両者の違いを簡単にまとめます。
プラットフォームが非常に分かりやすく、初めての利用でも感覚的に使える
無料プランでも使えるプロモーションが豊富で売り出ししやすい
売れた時の手数料が高い(通常50%)
日本語の説明が充実している
サイト構築の自由度がかなり高く、背景の色や文字フォント一つずつまで自分で設定できる。自分のホームページを作っているような感覚。
無料プランだとなかなか世間の目に触れられないので、集客力が必要
海外での認知度が高く、グローバルに売れる可能性がある
両方登録してリリースしましたが、Udemyはとにかく簡単。感覚的に進めていけるのが良かったです。一方、Teachableは自分のセンスにかかっているところも大きく、こだわりだすと時間がかかってしまいます。
手っ取り早く世の中に発信したい場合はUdemy、きちんと自分のスクールとして作りこんでいきたいという場合にはTeachableがお勧めです。
以上、実際にやってみて初めて分かった、オンライン教材作成に必要なことをまとめました。とにかく動画編集は環境づくりがとても大切です。効率の悪いツールを使っていると時間がかかってしまい、結果ビジネスチャンスを逃すこともあると思います。初めは少々お金がかかっても、環境を整えながら進めていくことが大切だと感じました。
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