アメリカで初めての出産【体験談】

フロリダ生活

前回の妊婦検診記事の続きです。

初めての出産を海外で経験することになりました。日本での出産経験がないため分からないことばかり。体力の限界が近づく中、英語で対応しなければならない状況はとても過酷でした。

本日はそんな体験をシェアさせていただきます。

こんな方におすすめ

これから初めての海外出産を控えている方

海外か日本での里帰り出産か迷っていて情報収集している方

アメリカ出産:入院したら何するの?

予定日の前日、入院することになりました。入院日については、主治医の判断で決まりました。

  • すでに赤ちゃんが大きく成長している(エコーはしていないのであくまで触った感覚)
  • 下にさがってきている
  • 主治医が翌日からバケーションで不在になる(…笑)
  • ベッドの空き状況など

日本の友人によく聞いていた話では、自然に任せて破水や陣痛が始まってから病院に行くという順番だったので、まだ何も始まる前に入院するのは変な感じでした。

今なら分かるのですが、アメリカでは、予定が立てやすく母体の精神的な不安(いつお産が始まるか分からない、予定日を過ぎてからのプレッシャー等)を回避する効果のある、「入院してお産を薬でコントロールをする方法」が一般的なようで、私もよく分からないまま主治医の言われた通りになりました。

入院前後の流れは下記の通りです。

いざ入院

長い長い一日の始まりです。

  • 9/4 晩ご飯とお風呂を済ませ、入院グッズを揃えて待機
  • 9/5 2:00am 真夜中に夫の運転で病院到着。チェックインを済ませる
  • 9/5 3:00am 個室に入る。ナースから質問されながら、色々と管を繋がれる。軽い陣痛が始まっていると言われる。子宮口は0センチ。夫は横の椅子でウトウト。
  • 9/5 6:00am やっと初動処置から解放されて少しウトウトする。

アメリカでは、陣痛室、分娩室、回復室が同室である病院が多いと聞きました。私の病院もそうでした。移動がないので妊婦の負担を減らせるのがいいですね。ただ、ベッドのほかには簡単な椅子しかなかったので、付き添いの夫は横になって仮眠することができず可哀そうでした…。

人工破膜

  • 9/5 7:00am 主治医登場。子宮口チェックは0センチ。人工破膜(何やら器具を突っ込んでパチンと卵膜を破り人工的に破水させること)。温かい液体がつたって出てくるのが分かる。同時に陣痛促進剤スタート
  • 9/5 11:00am 子宮口まだ全然。仮眠を取る。促進剤がどんどん投与される。陣痛はまだ弱い。痛さがMAXになる前に麻酔(無痛)入れた方がいいから早めに教えてね、と言われるが初めてのことでタイミングが分からない。まだ耐えられる程度。

無痛分娩が一般的なアメリカでは、麻酔科医のいるどこの病院でも無痛分娩を希望できます。ちなみに、無痛分娩=Epidural Anesthesia。Epi(エピ)で通じます。麻酔=anesthesiaです。

無痛麻酔

  • 9/5 昼過ぎ。急に陣痛が強くなってくる。麻酔を入れて欲しいとお願いするも麻酔科医が全然捕まらず1時間ぐらい待たされる。その間にどんどん陣痛が強くなり、耐えられなくてもだえ苦しむ。もっと早くにお願いすべきだったと後悔。
  • 9/5 3:00pmごろ? 背中に管を通し麻酔を入れてもらうと、嘘のように激痛がなくなり穏やかになる。その頃、母親が病室に到着。夫は支払いの件であちこち呼ばれる。
  • 9/5 夕方 麻酔が切れて再び激痛の陣痛が来る。麻酔が切れる前に対応してとかなり早めに伝えていたにも関わらず、またもや麻酔科医が捕まらずしばし苦しむ。麻酔復活後はまた穏やかになり、ひたすら待つ。子宮口の開きが遅く、定期的にチェックに来る主治医にもShe’s slowと言われちょっと微妙..。テレビでダイハードがやっていたのをぼんやり見て過ごす。

なかなか子宮口が開いてこなくてとにかく待ちます。母親にもまだ?まだ?と急かさせる感じがとても嫌で、もっとギリギリまで自宅待機してもらえば良かったと思いました。仮眠すべきですがなかなか寝ることはできませんでした。

ついに無痛分娩開始

  • 9/15 8:00pm頃 ようやく子宮口全開。自分の体の中で赤ちゃんが最後に一気に下まで降りてくる感覚がありました。主治医が来て、今から分娩を始めます!と。

無痛分娩なので、全く痛さのない中、タオルを渡され、これを引っ張りながらお尻に力を入れて思いっ切りプッシュしてと指示されます。正直、こんなに静かで穏やかな中で分娩することに対し、このままスポンと生まれたら終わりか~これで終わるならやっぱ無痛楽だわ~と余裕の気持ちでした。ところが、3回ぐらい思いっきりいきんだのですが赤ちゃんは全くピクリともしません。

主治医曰く、赤ちゃんの頭が上を向いていて、赤ちゃんのおでこと私の骨がぶつかっていると。

私の体をひっくり返してみようということになりましたがなんせ麻酔で下半身が全く動かないので、大人3人がかりで私を抱きかかえます。お尻も丸出しでかなり恥ずかしい恰好になりましたが、とにかくその体制で頑張ります。また3回ほど、自分ができる限りのいきみをしました。ナースは”I see his hair!!”と言って私を励ましてくれましたが、髪の毛が見えているだけで全く出てきません。

主治医は、いきみやすいように麻酔を切ってみようと恐ろしいことを言っています。実際麻酔を切られたのですが、それでも体から麻酔が完全に抜けるまでは時間がかかるので私の体は言うことを聞いてくれません。あっち向けこっち向けで無理に動かされ、すでにヘトヘトです。

そこで、すでに主治医は「緊急帝王切開」に方向転換していました。きっと色々説明してくれたと思うのですが、もうすでに夜中の入院から全然寝ていなくて、重い体がかなり辛い中もう私に英語をきちんと聞き取る力は残っていませんでした。

夫も同様で、母親は全く英語が分かりませんでした。

気づけば何か処置をされていて、え、え、どうなってるの?何してるの?という状態。主治医はどっかへ行ってしまいます。

改めてナースに質問し、先ほどの処置は赤ちゃんが出てこないよう子宮口を閉じるよう縫ったもので、今から手術室へ移動して帝王切開するということが分かりました。

えーーーーーーー!?今から帝王切開!?ていうか、判断早すぎない?????

お産の状況によっては緊急帝王切開になる可能性があるとは聞いてはいたものの、こんなに早い段階で、まさか自分が帝王切開することになるとは夢にも思っておらず、ただただ怖くて不安でした。

緊急オペ

バタバタと医師やナースたちが駆け回っています。準備で1時間ほど待たされました。その間、赤ちゃんがどうなっているか全く知ることができず不安でたまりませんでした。

  • 9/5 夜9:30頃 やっと手術室に運ばれます。

その頃には寒気と恐怖で全身がブルブルと震えて止まらなくなってしまったいたのですが、手術室に入ってきた主治医はそんな私を見て、”Oh I know you’re scared. It’s okay baby.”といっておでこにチューしてきました(!)笑

こんな状況でもラテンな主治医にとりあえず早くしてくれ、と心の中で突っ込みを入れます。別の医師が、震えが止まるよう何かの薬を入れたいので点滴していい?と聞いてきましたが、もう訳が分からないのでyes, yesしか言えませんでした。

手術室に夫と母親が入ってきて私の頭の側にいてくれました。いよいよ緊急帝王切開オペ開始です。

少し焦げた匂いがします。私は小さな仕切りカーテンのようなものが掛けられ、胸から下は見えませんでした。が、夫は全貌を見ていたので、テレビドラマの手術シーンでよくあるような、器具でグーンと引き延ばされて丸く穴の開いた腹から私の内蔵を見たといっていました。。恐ろしい。。。

  • 9/5 夜10:00すぎ そうして、やっと子宮膜を開き最後に主治医がグググとお腹を押し上げて赤ちゃんを掴み(息子はすでに下で待機していた)、やっとやっと私のお腹の中から息子が出てきてくれました!!!!!

時刻は夜の10:00を過ぎ、入院から20時間で赤ちゃん誕生です。

すぐに元気な産声を上げてくれ、私は安堵から大号泣。夫も「元気な男の子!!!」と感激し、母親は写真を撮りまくっていました。生まれた子はなんと3600gのビックベイビー。(事前に主治医が言っていた推定体重2800gなんて全くあてにならないと思いました…。エコー無しですからね。。)

7カ月検診でエコーをしたのを最後に全く赤ちゃんの姿を見ていなかったので、自分のお腹の中に本当に人間が入っていたんだと何だかびっくりしました。

バースプランでカンガルーケアを希望していましたが、緊急オペのため、簡単に私の胸に乗せてもらうだけでした(たぶん30秒ぐらい)。それでも夫と赤ちゃんと初めての家族3ショットの写真が撮れたので良かったです。

アメリカ出産:入院道具や英単語

アメリカ出産で準備するものや必要な英単語は下記のサイトがとても分かりやすいので参考にしてください。

これとは別に、授乳用のクッション(枕)を持参しとても役に立ちました。

アメリカや海外での出産は、それまで自分の周りの友人に聞いていた話と異なる点が多々あって戸惑うことや不安もとても大きくなります。

こちらの記事を一つの例として参考にして頂き、是非出産当日に備えて頂ければと思います。海外出産、頑張ってください!!!!!!!

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