夫の海外赴任や国際結婚で、海外で出産する女性は増えています。
しかし、ただでさえ不安な妊娠期。それをアメリカや海外で過ごすとなると、色々疑問や不安がでてくると思います。私もその一人でした。妊娠7か月で夫の海外赴任に帯同するため渡米することになったのですが、日本とシステムが違ったり言葉の壁だったりで、妊婦検診でクリニックへ行くたびに戸惑う事が多かったです。
本日は私の体験談をシェアいたします。海外で頑張るプレママさんの参考になれば嬉しいです。
アメリカ産婦人科:検診するところと出産するところが違う
まず、アメリカの産科の仕組みを少し説明します。日本だと、いつも検診しているクリニックでそのまま出産することが多いと思いますが、アメリカは検診で訪ねるクリニックと、実際に出産をする病院が違うのが一般的です。
検診:Obstetrics=産科ですが、〇〇 obstetricsやWomen’s clinic〇〇という看板を掲げている小さなクリニック
出産:〇〇Hospitalというような大きな総合病院。設備が整っていて、麻酔科医が常駐していたり緊急帝王切開の手術などできることが多い
私の場合、検診中は主治医が所属しているクリニック(オフィス)に通い、出産はそのクリニックが提携している大きな総合病院の産科で行いました。主産時は主治医が病院へやってきます。そのクリニックと病院は車で10分ほどの距離です。ちなみにクリニックには他に3名のドクターが所属しており、別の方の出産で主治医がクリニック不在の時は他のドクターがフォローする、という体制をとっていました。
アメリカ産婦人科:初診~入院日まで【体験談】
初診
アメリカでの妊婦検診。初診は一般的に妊娠8週目ごろが多いようです。あまり早いと胎嚢や心拍が確認できないので、それまで待ってから初診を受け付けているクリニックが多いです。
友人は生理予定日に妊娠検査薬で陽性が出てすぐにクリニックへ問い合わせをしましたが(恐らく4~5週目)、「今来ても何もできない」と受診を断られたそうです。
私の場合、夫の海外赴任帯同で渡米した時点ですでに妊娠7カ月。
(病院探しに奮闘した様子はこちらからご覧ください。)
渡米して6日後に主治医との初アポでした。私たちが住んでいたのは、アメリカのフロリダ州。ラテン文化の強い地域ですが、主治医もラテン系。めちゃくちゃフレンドリーで医師との初対面ってこんな感じだっけ?と笑ってしまうぐらい陽気に歓迎してくれました。
エコー(ultra sound)で赤ちゃんの様子を確認。日本からの長旅後、初めて赤ちゃんの様子を見られてとても安心しました。
ただ、アメリカのエコーは日本と比べかなり画像が荒いです。画像中に砂嵐の部分が多く、正直よく見えませんでしたが主治医は”What a healthy baby!! He’s so active!!”と言ってくれたので嬉しかったです。あとは、心音の確認をして問題なし、次は1か月後に来てね!と言われて初診は終わりました。
定期健診
さて、定期健診の流れです。受付を済ませると、まずは検尿。尿は”urine”と言います。”Get a urine test.(検尿してきて)”などと言われます。そして体重・血圧測定。日本では標準サイズの私ですが、日本人はアメリカ人に比べ細くて軽いのでここでいつもナースに驚かれます。
その後、診察室に移動してドクターを待ちます。日本と同様、産科ドクターは大変忙しく、複数ある診察室を行ったり来たりしています。
ラテンのノリノリドクターはいつも登場とともに、”Oh you look great! You are perfect!”と褒めてくれます笑 でもこの妊婦の表情や様子を注意深く見ていて、妊婦が辛そうなら赤ちゃんも辛い=何か異常があるかも?と考えるようです。
というのも、当時フロリダではジカ熱が入ってきていて、妊婦を中心に注意喚起されていました。ジカ熱とは蚊を介してジカウイルスに感染するもので、感染すると小脳症など胎児に深刻な事態を引き起こすものです。
気を付けていたもののうっかり蚊に刺されてしまって心配でドクターに伝えたところ、「蚊にさされたかもしれないが、今君はとっても健康に見える。もしジカなら君はもっと辛いはず。だから大丈夫!」と言って、特に検査もしませんでした。
とにかく、”You look great=Your baby is great!!!” なのです。
日本だと、毎回エコーで赤ちゃんの様子を見たり、頭・背骨・太ももの長さを計ったり、異常がないか丁寧に調べると思いますが、アメリカはエコーがないのでドクターの触診や経験のみが頼りです。
ドクドクと元気な心音を聞いたあと、ギュ、ギュと私のお腹を触って赤ちゃんの位置を確認。メジャーで子宮底長(恥骨の中心から子宮の上の端までの長さ)をパッと計って検診は終わり。いつもあっという間です。
28週以降は2週間おき、34週以降は1週間おきの検診です。28週でシュガーテスト(妊娠糖尿病テスト)、32週で血液検査。37週で溶連菌の検査がありました。
病院ツアーに参加する
出産予定日の8週~2週前までに、出産する予定の病院を訪れ実際の病室や施設を見学するツアーに参加します。当日、どの入口から入ってナースステーションまで来るかの流れや持ち物の説明もあります。
その際に入院申込書の案内があるので必要事項を記入して受付を済ませます。その場で出せない場合は、後日メールやFAXで提出することも可能でした。
小児科ドクターを探しておく
アメリカでは、出産前に小児科の主治医を探しておくよう指示されます。全くツテがなかったので、産科の主治医に紹介してもらいました。夫とアポを取って面談(インタビュー)に行きました。
初めて訪れるアメリカの小児科。ドクターのオフィスで初対面です。
「まだ子供も生まれていないのに何話すのって感じでしょ?でも、ほら。やっぱり顔を合わせておいた方があとあと安心できると思うし!」という感じで気さくに話してくれるドクターでした。面談はほとんど世間話で30分ほど話をして終了です。
入院日が決まる
いよいよ臨月に入り、予定日が近づきます。前駆陣痛はあるものの子宮口がまだ全く開いておらず、兆候は見られません。にも関わらず予定日の前日に入院が決まりました。というのも、、

翌日から僕バケーション(長期休暇)だから!
なんともアメリカらしいですが、(ドクターのバケーションがあるため?)全くまだ出産の兆候が現れていない時点で、予定日の前日に入院することが決まりました。ドクター曰く、もう十分赤ちゃんが大きくなっていて下がっている、いつ産気づいてもおかしくない、できれば自分が立ち会いたいし入院日決めちゃおう、もちろん入院当日に全く兆候がなく出産にならなければ信頼できる同僚に引き継ぎをする、とのことでした。
まぁ、絶対自分のバケーション前に終わらせたいよね、、という気持ちも汗。でも私も関係のできている主治医に取り上げてもらいたかったので、指定日で入院することを決めました。

そのことを友人に話すとアメリカっぽいねー!!と今でも言われます
とにかく妊娠期間を無事に乗り越え、入院日を迎えました!次回に続きます。
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